資産運用 2007 10 14
もし、日本で、デフレが終わりインフレが始まるならば、
本当の意味で資産運用をする必要があるでしょう。
もちろん、過去にも、日本では、インフレは、何回もありました。
しかし、今回想定しているのは、過去のインフレとは違います。
金利が上がらない(いや上げられない?)、
そして賃金(給料)が増えないという条件下でのインフレを
想定する必要があるかもしれません。
そういう条件下では、「資産運用なんて面倒くさい」と言っていられなくなるのです。
「資産運用をしなかった人」と「資産運用した人」では、大きな格差がつくでしょう。
しかも不幸なのは、「上手に資産運用した人」と「下手な資産運用した人」の間でも、
大きな格差がつくでしょう。
最近は、投資信託、外貨預金、リート、FX投資家と、そういう話題ばかりなので、
みんな資産運用をしているように思えるでしょうが、
やはり、多くの日本人には、資産運用は、なじみがないでしょう。
それは、今までの日本人は、資産運用をする必要がなかったからです。
かつての日本では、預金金利は、資産運用する必要がないほど、十分な利子でした。
また、給料も、年功序列によって、確実に上昇して行ったのです。
こういう条件下では、何もリスクをとって資産運用する必要はなかったのです。
資産運用の初心者である、多くの日本人が、
急遽、資産運用を始めざるを得なくなるのは、不幸なことです。
(有利な運用があると言って、騙されてしまう人も多数出てくるでしょう)
また、さらに日本人にとって不幸なのは、デフレを経験してしまったことです。
デフレの時代は、「タンス預金」でも、よかったのです。
いや、デフレ時代は、「タンス預金」こそ、一番の資産運用だったかもしれません。
1個100円の商品が、いつの間にか98円になり、そして89円になり・・・・・。
待っていれば、自動的に、値段が下がっていく。
このような環境下では、たとえゼロ金利でも、問題ないのです。
商品の値段が下がる一方で、現金の価値は上昇していくのですから。
さて、デフレ環境やデフレ感覚に慣らされてしまった日本人が、
「いつの間にかインフレになっていた」と気づいた時には、もう遅いのです。
なぜならば、経済情勢に対する「人間の感覚」が遅れることや、
気持ちの切り替えが遅れることも、よくあることでしょう。
いつまでもデフレ気分でいたら、とんでもないことになってしまった。
そういう事態は避けたいものです。
さらに、もうひとつの懸念があります。
資産運用をするに当たって相談役となるべき、
ファイナンシャルプランナーにも問題があります。
現在、日本では、独立系のファイナンシャルプランナーは、少ないでしょう。
たいていは、どこかの組織に所属しているファイナンシャルプランナーでしょう。
そういうファイナンシャルプランナーは、相談者の利益ではなく、
自分が所属している組織の利益極大化を考えるでしょう。
こうしてみると、さらにデフレ傾向が続いた方がよいと考えたくなります。
しかし、金利(利子)が上がらない、給料が上がらないという状況で、
インフレの足音を聞いて、あわてて下手な資産運用を行い、貴重な財産を減らしてしまう。
しかも、それが年金生活者や定年退職者だったりしたら・・・・・。
そういう悪夢を予想してしまうと、
なおさら、このままデフレ傾向が続いた方がよいと考えたくなります。
何だか、まとまりのないまま、文章が長くなりました。
このサイトの読者ならば、どうして、こんな初歩的なことを書くのかと思うでしょう。
しかし、一般の人に聞いてみてください。
インフレとデフレの違いを、ちゃんと説明できる人が何人いるのか。
10人のうち1人ぐらいかもしれません。
金融知識があって、損をするのは自己責任です。
しかし、金融知識がないのに、損をするのは気の毒です。